相続放棄後の相続登記(債権者代位の登記関連)

(問題)

 債権者代位によって、第1順位の法定相続人のために相続登記がされたが、当該相続登記より前に当該第1順位の法定相続人全員が相続放棄をしていた場合、当該第1順位の法定相続人と第2順位の法定相続人とが共同して、第2順位の法定相続人の相続による所有権移転の登記を申請することはできるか?

 

(解答)

 実体法上、第1順位の法定相続人から第2順位の法定相続人への相続を原因とする物権変動が生じているわけではない。

 よって、この場合、当該第1順位の法定相続人と第2順位の法定相続人とが共同して、第2順位の法定相続人の相続による所有権移転の登記を申請することはできない

 この場合、被相続人を登記権利者、第1順位の相続人全員を登記義務者として当該登記を抹消した後、第2順位の相続人名義に相続を原因とする所有権移転登記をすることになる。